美術館は私たちが歴史や文化を学ぶ場所として、多くの人々にとって欠かせない存在となっています。
特に、世界三大美術館はその中でも特別な位置を占めています。これらの美術館は、それぞれ異なる地域や時代のアートを代表するコレクションを持ち、その展示方法や研究の深さで世界的な評価を受けています。
美術館は、その所蔵するアートワークや展示の内容、そしてその背後にある歴史や文化を通じて、私たちに多くの知識や感動を提供してくれます。
それぞれの美術館が持つ独自の魅力を理解し、深く探求することで、アートの世界がさらに広がることでしょう。
この記事では「世界三大美術館」について深掘りした記事になっています。
世界三大美術館の魅力とその定義
記事のポイント
- 世界三大美術館は、その所蔵品の質と量、研究活動、教育プログラムなどの総合的な活動において最高峰と認識されている美術館のこと
- 世界三大美術館の各美術館が持つ特性や価値、代表的な展示品やコレクション
- 「世界三大美術館」の定義や評価基準、そしてそれを超えた「世界5大美術館」の存在とその内容
- 多角的視点からみた世界の美術館ランキング
美術館と博物館の違い
まず、美術館と博物館の定義について解説します。
一見すると似ているように感じられるかもしれませんが、その目的や展示内容、来場者に提供する価値には大きな違いがあります。
参考
美術館は、その名の通り、美術に関する作品を収集・展示する場所です。ここでいう美術とは、絵画、彫刻、版画、写真、現代アートなど、視覚的に楽しむことを目的とした作品を指します。例えば、モネやピカソの絵画、ロダンの彫刻など、特定の時代や流派、アーティストの作品が展示されることが多いです。美術館の主な目的は、これらの作品を通じて、人々に美的感受性や芸術的価値を伝え、感じさせることです。
博物館は、より幅広いジャンルの展示が行われる場所です。歴史、考古学、民族学、自然科学など、多岐にわたる分野の資料や遺物が展示されています。例えば、恐竜の化石や古代の遺跡から出土した土器、歴史的な事件や人物に関する資料などが展示されることが多いです。博物館の主な目的は、これらの資料や遺物を通じて、人々に知識や学びを提供することです。
このように、美術館と博物館は、その目的や展示内容において、明確な違いがあります。
それぞれの施設が持つ特性や価値を理解し、訪れる際の期待や楽しみ方を適切に設定することが、より深い体験を得るための鍵となります。
※一部、美術品だけでなく、考古学的な遺物や人類学的な資料も多く所蔵している施設も存在します。
世界三大美術館とは?
世界三大美術館とは、美術史や文化史の研究者からも、その所蔵品の質と量、研究活動、教育プログラムなどの総合的な活動において最高峰と認識されている美術館のことを指します。
これらの美術館は、それぞれ異なる地域や時代のアートを代表するコレクションを持ち、その展示方法や研究の深さで世界的な評価を受けています。
世界3大
ルーブル美術館:フランスのパリに位置するルーブルは、約380万点のアートコレクションを所蔵。中世ヨーロッパの彫刻やルネサンス期の絵画、そしてオリエンタルアートのコレクションは、その網羅的な範囲と深さで知られています。特に、アッシリアの獅子の像やコード・ハンマラビ、そしてモナ・リザは、その代表的な展示品として世界中からの観光客を引きつけています。
- 来場者数: 年間約900万人
- 広さ: 約210,000平方メートル
- 所蔵物数: 約380万点
- 有名展示品: ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」、デルクロワの「自由の女神」など
メトロポリタン美術館:ニューヨーク市の中心、セントラルパーク隣接地に位置するこの美術館は、古代エジプトのテンプル「ダンドゥール」や、アメリカの装飾芸術のコレクションなど、約200万点のアートコレクションを所蔵しています。特に、アーマリーショーとして知られる武器・鎧のコレクションは、その質と量で世界一とされています。
- 来場者数: 年間約700万人
- 広さ: 約190,000平方メートル
- 所蔵物数: 約200万点
- 有名展示品: ヴェロッキオの「ダビデ像」、ゴッホの「星月夜」など
エルミタージュ美術館:ロシアのサンクトペテルブルクに位置するこの美術館は、約300万点のアートコレクションを誇ります。特に、ゴールデンルームに展示されているスキタイやギリシャの黄金製品は、その技術と美しさで世界的に有名です。
- 来場者数: 年間約900万人
- 広さ: 約210,000平方メートル
- 所蔵物数: 約380万点
- 有名展示品: ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」、デルクロワの「自由の女神」など
これらの美術館は、単なる展示スペースとしての役割を超え、アートの研究、保存、教育の中心地としての機能を果たしています。
そのため、「三大」という言葉は、これらの美術館が持つ学術的な価値や社会的影響力をも指しているのです。
ルーブル美術館(フランス・パリ)の特徴・展示品など
ルーブル美術館は、フランスの首都パリに位置する世界最大級の美術館で、その起源は12世紀の要塞にまで遡ります。
この美術館は、8つの異なる部門に分かれており、それぞれが異なる時代や地域の美術品を展示しています。
美術館の中でも特に注目すべきは、イタリアルネサンス期の絵画コレクションです。
ここには、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」をはじめ、ティツィアーノやカラヴァッジョの作品も所蔵されています。
また、古代エジプト部門には、ファラオの彫像やミイラ、さらにはロゼッタストーンのレプリカなど、約5,000点以上のアーティファクトが展示されています。
ルーブル美術館の建築自体も、フランスの歴史や文化を反映したものとなっています。
中庭には、I.M.ペイによって設計されたガラス製のピラミッドがあり、これは1989年に完成した比較的新しい部分です。
このピラミッドは、美術館の新しいエントランスとして機能しており、その下には広大な地下ロビーが広がっています。
訪問者数が年間約1,000万人を超えるこの美術館は、その規模と所蔵品の質から、世界の美術館の中でもトップクラスの人気を誇っています。
しかし、その人気の裏には、混雑を避けるための戦略が必要です。特に、夏の観光シーズンや週末は非常に混雑するため、平日の午前中に訪れることで、比較的ゆっくりと作品を鑑賞することができます。
メトロポリタン美術館(アメリカ・ニューヨーク)の特徴・展示品など
メトロポリタン美術館、通称「メット」は、ニューヨーク市のフィフスアベニューに位置する、世界屈指の美術館です。
その歴史は1870年に遡り、当初のコレクションは5,000点未満でしたが、現在では約200万点を超えるアートコレクションを誇ります。
この美術館の特徴的な部門として、エジプト美術部門が挙げられます。
ここには、テンプル・オブ・ダンダーというエジプトの神殿が再現されており、紀元前15世紀のものとされるこの神殿は、1960年代にアスワン・ダム建設の影響で水没の危機に瀕していたところを、メットが取得し、移築したものです。
また、ヨーロッパ絵画部門には、ヴェロニーゼやエル・グレコ、レンブラント、ヴァン・ゴッホなど、西洋美術史上の巨匠たちの作品が所蔵されています。
特に、レンブラントの「自画像」やヴァン・ゴッホの「麦わら帽子をかぶった自画像」は、世界中からの観光客の注目を集めています。
さらに、アメリカ美術部門では、18世紀から20世紀にかけてのアメリカの家具、銀器、ガラス製品などの装飾美術品が展示されています。
これらのコレクションは、アメリカの工芸史やデザイン史を知る上で非常に価値があります。
メットの建物自体も、その歴史的背景や建築様式が研究の対象となっており、特に中央の大階段やガラス製の天井が有名です。
この建物は、アメリカのボザール建築の代表例として、多くの建築家や学者からも評価されています。
The Metropolitan Museum of Art
エルミタージュ美術館(ロシア・サンクトペテルブルク)の特徴・展示品など
エルミタージュ美術餤は、ロシアのサンクトペテルブルクにある、世界有数の歴史と規模を誇る美術館です。
1764年に女帝エカチェリーナ2世によって設立され、現在では約300万点のアートコレクションを所蔵しています。
この美術館のコレクションは、古代エジプト、ギリシャ、ローマの遺物から、ルネサンス、バロック、ロマン派の絵画まで、時代や地域を問わず幅広く取り揃えられています。
特に、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロ、レンブラント、セザンヌといった大巨匠の作品群は、世界中からの観光客や研究者の注目を集めています。
エルミタージュ美術館の建物自体も、その壮麗な建築と豪華な内装で知られています。
特に冬宮殿は、ロシア帝国の皇帝たちが居住していた宮殿であり、その豪華な間取りや装飾は、訪問者をロシア帝国の栄華の時代へと誘います。
また、美術館内には、ゴールドルームと呼ばれる部屋があり、ここには約15,000点の金製品や宝石が展示されています。
これらのコレクションは、古代の文明からロシア帝国時代までの貴重な遺物や工芸品を集めたもので、その価値は計り知れません。
しかし、美術館の広大な敷地と膨大なコレクションのため、一度の訪問ではすべての展示を堪能するのは難しいとされています。
そのため、事前に見たい展示や部門を絞り込むことが、効率的な鑑賞のためのポイントとなります。
世界四大美術館 -世界三大美術館にプラド美術館(スペイン・マドリード)が入る場合もある-
プラド美術館は、スペインの首都マドリードに位置する、ヨーロッパ屈指の美術館であります。
しかし、一部の専門家や愛好家の中では、プラド美術館を「世界三大美術館」に加える声、プラド美術館を加えて「世界四大美術館」とすべきという声も存在しています。
その所蔵品は、スペイン王室のコレクションを基に、14世紀から19世紀のヨーロッパ美術を中心に約8,600点の絵画と約700点の彫刻を所蔵しています。
特に、ゴヤ、ベラスケス、エル・グレコといったスペインの巨匠たちの作品が豊富に収蔵されており、これらの作品は世界的にも高い評価を受けています。
「世界三大美術館」という言葉は、エルミタージュ美術館、メトロポリタン美術館、ルーブル美術館の3つを指すことが一般的ですが、プラド美術館の所蔵品の質、その歴史的背景、そして研究・教育活動の実績を考慮すると、この美術館も「世界三大美術館」の一つとして数えられることが十分に理解できます。
プラド美術館の特色は、スペインの歴史や文化を反映したコレクションにあります。
例えば、ゴヤの「マハの裸婦」やベラスケスの「ラス・メニーナス」は、スペイン美術の代表作として、世界中からの観光客や研究者を魅了しています。
また、美術館内には、ルネサンス期やバロック期のヨーロッパ美術の名作も多数展示されており、その幅広いコレクションは、世界の他の美術館と比較しても特筆すべきものとなっています。
このように、プラド美術館もその所蔵品の質や量、そして美術館としての活動において、世界トップクラスの評価を受けています。
世界の美術館ランキング -来場者、広さ、所蔵物数-
美術館は、世界中の多くの都市に存在し、それぞれが独自の特色と魅力を持っています。
これらの美術館は、来場者数、広さ、所蔵物の数等によって、その価値や重要性が評価されることが多いです。
いずれも、前述の世界三大美術館がランキング上位を占める割合が多いですが、それ以外にもランキングに食い込んでくる世界の有名美術館もあります。
ポイント
- 来場者数について: 世界のトップ美術館の中には、年間数百万人の来場者を迎えるところもあります。これは、その美術館が持つコレクションの価値や、特別展示の魅力、さらには美術館自体の歴史や建築の美しさなど、多岐にわたる要因に起因しています。
- 広さに関する情報: 世界の一流の美術館は、その広大な敷地や建物の面積によって、多くのアートワークを展示することができます。一部の美術館は、数十ヘクタールにも及ぶ広大な敷地を持ち、その中には庭園や研究施設、カフェなども併設されていることがあります。
- 所蔵物数の特徴: 世界の主要な美術館は、数十万点以上のアートワークを所蔵している場合が多いです。これには、絵画、彫刻、写真、装飾品、古代の遺物など、さまざまなカテゴリのアートワークが含まれます。
美術館は、その所蔵するアートワークや展示の内容、そしてその背後にある歴史や文化を通じて、私たちに多くの知識や感動を提供してくれます。
それぞれの美術館が持つ独自の魅力を理解し、深く探求することで、アートの世界がさらに広がることでしょう。
「来場者数」から見る世界の美術館ランキング
美術館は、その地域の文化や歴史を反映する場所として、多くの人々に愛されています。
特に、世界的に有名な美術館は、その展示内容や建築、所在地など多岐にわたる魅力で、毎年多くの観光客を引き寄せています。
その中でも、来場者数は美術館の人気や評価を示す重要な指標となります。
ルーブル美術館(フランス・パリ)は、その来場者数で圧倒的な存在感を放っています。2019年の来場者数は960万人に達し、2018年には過去最高の1020万人を記録しました。
来場者ランキング
- ルーブル美術館(フランス・パリ):
- 2019年の来場者数: 約960万人
- メトロポリタン美術館(アメリカ・ニューヨーク):
- 2019年の来場者数: 約700万人
- エルミタージュ美術館(ロシア・サンクトペテルブルク):
- 2019年の来場者数: 約480万人
- ルーブル美術館(フランス・パリ):
「広さ」から見る世界の美術館ランキング
美術館の広さは、その規模や所蔵品の多さを示す重要な指標となります。
広大な敷地は、多岐にわたる時代やジャンルの芸術品を収容することができ、訪問者にとっては一日を過ごしても飽きることのない魅力的な空間を提供します。
広さランキング
- ルーヴル美術館(フランス・パリ):
- 広さ: 約72,735平方メートル
- 中国国家博物館(中国・北京):
- 広さ: 6万5000平方メートル
- 特徴: 中国の歴史や文化を中心にした展示が行われており、古代の遺物から現代の芸術品まで幅広く展示されています。
- メトロポリタン美術館(アメリカ・ニューヨーク):
- 広さ: 約58,820平方メートル
これらの美術館は、それぞれ異なる地域や時代の芸術を所蔵しており、広さだけでなく、その背後にある歴史や文化的価値も非常に高いと言えます。
美術館を訪れる際には、これらの背景やコンセプトを理解することで、より深い鑑賞が可能となります。
中国国家博物館:北京の歴史的中心に位置する文化の宝庫
中国国家博物館は、北京の天安門広場の東側に位置する、中国の歴史と文化を網羅した巨大な博物館です。
この博物館は、中国の古代から現代までの歴史を包括的に展示しており、多くの貴重な展示品が所蔵されています。
その中には、古代の青銅器や瓷器、絹の衣装、書道の作品など、中国の歴史と文化の発展を物語るアイテムが数多く展示されています。
この博物館は、1959年に開館し、その後数回の大規模な改装を経て、現在の姿となりました。
総面積は約20万平方メートルを超える広大な敷地に、12の展示ホールがあり、年間を通じてさまざまなテーマの特別展が開催されています。
例えば、中国の古代文明の発展を追った展示や、近代の歴史的事件を中心とした展示など、訪問者は中国の歴史と文化の深さを感じることができます。
また、中国国家博物館は、国際的な交流の場としても機能しています。
世界各国からの展示品の貸し出しや、国際的な学術研究のためのコラボレーションが行われており、中国の歴史と文化を世界に紹介する役割も果たしています。
その一方で、外国の歴史や文化に関する展示も行われており、訪問者は世界の多様な文化を学ぶことも可能です。
総じて、中国国家博物館は、中国の歴史と文化の深さを知るための最適な場所であり、その規模と所蔵品の豊富さから、国内外の訪問者にとって見逃せないスポットとなっています。
「所蔵品数」から見る世界の美術館ランキング
所蔵品ランキング
- 大英博物館(イギリス・ロンドン)
- 所蔵品数: 約800万点
- 主な展示品: ロゼッタ・ストーン、エルギン・マーブルズ、アッシリアの壁画など
- 特徴: 世界各地の文化や歴史を反映した多岐にわたるコレクションを有しており、大英帝国時代に植民地から持ち込まれたものも多い。
- ルーブル美術館(フランス・パリ)
- 所蔵物数: 約380万点
- エルミタージュ美術館(ロシア・サンクトペテルブルク)
- 所蔵品数: 約300万点
大英博物館(イギリス・ロンドン)の特徴
大英博物館は、イギリスの首都ロンドンに位置する世界的に有名な博物館であり、その歴史は1753年にさかのぼります。
この博物館は、世界中から集められた約800万点にも及ぶ貴重な文化遺産や歴史的資料を所蔵しており、古代エジプトのミイラやロゼッタストーン、古代ギリシャのパルテノン神殿の彫刻など、美術視点からも多岐にわたる展示品が並べられています。
この博物館の特徴の一つとして、その広大な敷地面積と壮麗な建築が挙げられます。
特に、中央の大広間はガラス屋根が特徴的で、自然光が差し込む空間となっており、訪問者はその美しい建築を楽しみながら、世界の歴史や文化に触れることができます。
また、大英博物館は、研究や教育の場としても重要な役割を果たしています。
多くの学者や研究者がこの博物館を訪れ、所蔵品を基にした研究や発表を行っています。
さらに、一般の訪問者向けにも様々なワークショップや講演会が定期的に開催され、歴史や文化に関する知識を深める機会が提供されています。
大英博物館は、その豊富なコレクションと研究活動、そして教育活動を通じて、世界中の人々に歴史や文化の価値を伝え続けています。
イギリスを訪れる際には、この博物館を訪れることで、人類の歴史や文化の奥深さを感じることができるでしょう。
世界三大美術館:世界5大美術館の定義とは?
世界5大美術館とは?あと2つは?
前述の通り、「世界三大美術館」として広く知られるエルミタージュ美術館、メトロポリタン美術館、ルーヴル美術館の名は多くの人々に認知されています。
しかし、美術館や博物館の評価やランキングは、所蔵品の質や量、来場者数、歴史的背景など様々な要因によって変動します。
このため、「世界5大美術館」というカテゴリーも存在し、その中にはさらに多岐にわたる美術館が名を連ねることがあります。
具体的に「世界5大美術館」として頻繁に挙げられるのは、前述の3つに加え、イタリア・フィレンツェにあるウフィツィ美術館と、イギリス・ロンドンの大英博物館です。
ウフィツィ美術館はルネサンス期の傑作を数多く所蔵しており、大英博物館はその膨大な収蔵品と歴史的背景で知られています。
それにもかかわらず、この5つの美術館が絶対的な「世界5大」とされるわけではありません。
地域や文化、時代によって、その評価やランキングは変わる可能性があるのです。
美術館や博物館の魅力は、その所蔵品や建築、歴史だけでなく、それぞれの文化や背景に根ざしているため、一つの基準で評価することは難しいのが現状です。
世界三大美術館にウフィツィ美術館が入らない理由・背景
ウフィツィ美術館は、イタリア・フィレンツェに位置する美術館で、特にルネサンス期の名作を豊富に所蔵しています。
ボッティチェリやダ・ヴィンチ、ミケランジェロといった巨匠の作品が展示されており、世界中からの観光客が訪れる名だたる美術館の一つです。
一方で、一般的に「世界三大美術館」と称されるのは、エルミタージュ美術館、メトロポリタン美術館、そしてルーヴル美術館の三つです。
これらの美術館は、所蔵品の数や質、歴史的背景、そして規模など、多岐にわたる要因でこの称号を得ています。
では、ウフィツィ美術館がこの「三大美術館」に含まれない理由は何でしょうか。
一つの要因として、ウフィツィ美術館が特定の時代、特にルネサンス期の作品に特化している点が挙げられます。
一方、上述の三大美術館は、古代から現代までの幅広い時代のアートを網羅しているのが特徴です。
しかし、これはウフィツィ美術館が他の美術館よりも劣っているというわけではありません。
むしろ、ルネサンス美術のコレクションとしては世界最高峰とも言えるその質と量は、美術愛好家や研究者から高く評価されています。
美術館の価値やランキングは、その基準や視点によって変わるものであり、ウフィツィ美術館の位置づけも、それによって異なると言えるでしょう。
世界三大美術館に大英博物館になぜ入らないのか?
大英博物館は、前述の通りイギリス・ロンドンにある世界的に著名な博物館で、古代エジプトのミイラやロゼッタ・ストーン、アッシリアの彫刻など、多岐にわたる時代や地域の貴重な文化遺産を所蔵しています。
では、なぜ大英博物館は「世界三大美術館」にカウントされないのでしょうか。
その主な理由は、大英博物館が「美術館」というより「博物館」としての性格が強いためです。
つまり、美術品だけでなく、考古学的な遺物や人類学的な資料も多く所蔵しているのが特徴です。
このため、純粋な「美術館」としてのランキングとは異なる位置付けとなっています。
しかし、その価値や重要性を測る基準は多岐にわたり、大英博物館の持つ世界的な影響力や貢献は計り知れないものがあります。
以上が「世界三大美術館」についての解説になります。
旅行の際の参考にしていただけたら幸いです。
世界三大美術館に関するこの記事の総括
記事のハイライト
- 美術館は美的感受性や芸術的価値を伝える目的
- 博物館は知識や学びを提供する目的
- 世界三大美術館は美術史や文化史の研究者から最高峰とされる
- 世界三大美術館はエルミタージュ美術館、メトロポリタン美術館、ルーヴル美術館の三つ
- それぞれの美術館は異なる地域や時代のアートを代表するコレクションを所蔵
- ルーヴル美術館はフランス・パリに位置し、約380万点のアートコレクションを所蔵
- メトロポリタン美術館はニューヨーク市にあり、約200万点のアートコレクションを所蔵
- エルミタージュ美術館はロシア・サンクトペテルブルクに位置し、300万点以上のアートコレクションを所蔵
- 世界五大美術館としてウフィツィ美術館や大英博物館も挙げられることがある
- ウフィツィ美術館は特定の時代、特にルネサンス期の作品に特化
- 大英博物館は美術館よりも博物館としての性格が強い
- 美術館や博物館の魅力は所蔵品や建築、歴史だけでなく、文化や背景に根ざしている